ボクサー【1977東映】清水健太郎主演、前衛的な娯楽作
監督は詩人・劇作家の寺山修司氏、彼は映画においても「書を捨てよ町へ出よう」、「田園に死す」など前衛的な名作を撮っています。それらはATGといったアート系映画会社の配給だったのですが、今回の「ボクサー」は娯楽の殿堂東映の製作、配給で撮られたエンタティンメント作品です。
主演の清水健太郎は沖縄出身の片足に軽い傷害を負った青年ですが、かなり故郷で不遇な青春時代を送ったようで、結構屈折した性格なんですが、過去の憎しみをバネにボクシングで一旗あげようと決意します。
そして、この青年をサポートするのが元ボクサーでトレーナー役の菅原文太です。菅原もボクサーの現役時代にトラウマちっくになるような事があって、ボクシングとは決別していました。さらに、清水に対してあるわだまりもあったもんで、最初は清水にボクシングを教えることを拒絶していたんですが、じょじょに清水の熱意に押され二人三脚でチャンピオンを目指すべく特訓を始めます。
舞台演劇を主なフィールドで活躍していた寺山氏らしく、その演出も東映らしからぬ(?)前衛的な演出であふれていますが、娯楽作品としての立ち位置はしっかりした作品です。
ちなみに、輪島功一、具志堅用高、ファイティング原田、そしてガッツ石松と歴代の世界チャンピオンが特別出演しており、ボクシングファン大喜びの華やかさもあります。
この映画が創られたのが1977年。その年一番話題になった作品が『ロッキー』の1作目であり、同じ年の『ロッキー』公開後に公開されたボクシング映画となれば、当然「二番煎じ」を狙って慌てて創られた作品というイメージになってしまう。当時中学生であった僕もそんな...









